アトピー性皮膚炎の診断基準

これまで、多くの専門医がアトピー性皮膚炎の診断基準を提唱しています。
中でも「ハニヒンとライカの診断基準」が世界的に有名ですが、1994年、日本皮膚医学会でも「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」を作りました。
今後、日本では、この診断基準に従ってアトピー性皮膚炎の診断をする皮膚科医がふえてくると思われますので、それをご紹介しますが、素人がこれによって自己診断することは慎みましょう。




アトピー性皮膚炎の定義(概念)

「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くは「アトピー要因」を持つ」
アトピー要因:
(1)
家族歴・既往歴
(気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)
(2)
IgE抗体を産生しやすい要因。




アトピー性皮膚炎の診断基準

1.蚤痒
2.慢性・反復性の経過(しばしば新旧の皮疹が混在する)
 乳児では2ヵ月以上で、そのほかでは6ヵ月以上を慢性とする。
3.特徴的な皮疹と分布
 (1)皮疹は湿疹病変
  ●慢性病変:紅班、湿潤性紅班(ジュクジュクした赤い湿疹)
        丘疹、漿液性丘疹(水庖)
  ●急性病変:湿潤性紅班、菩揃癬化病変、痒疹
  ●鱗屑
   (角質層がはがれて、粉をふいたように白っぽく見える状態)
   痂皮(かさぶた)
 (2)分布
  ●左右体側性 好発部位:前額、眼囲、口囲、口唇、
              耳介(耳の、外側に突き出した部分)、
              周囲、頸部、四肢(手足)間接部、
              ク幹(頭と手足以外の体の部分)
  ●参考となる年齢による特徴
   乳児期:頭、顔の始まり、しばしばク幹、四肢に下降
   幼少時期:頸部、四肢屈曲部の病変
   思春期・成人期:上半身(顔、くび、胸、背)に皮疹が強い傾向
上記1.2および3の項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断する。そのほかは慢性湿疹とし、経過を参考にして診断する。




除外すべき診断

●接触皮膚炎
 (かぶれ)
●脂漏性皮膚
 (毛穴の多いところに皮脂がふけのようにつく炎症)
●単純性痒疹
 (プツプツができ、発作的に強いかゆみが起こる炎症)
●疥癬
 (ヒゼンダニの感染によって指の間接の外側、ひじの内側、
 わきの下、下腹部、外陰部などに出るはげしいかゆみを
 伴う赤い発疹)
●魚鱗癬
●皮脂欠乏性湿疹
●手湿疹




診断の参考項目

●アトピー家族歴
 (気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎)
●アトピー合併症
 (気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎・結膜炎)
●毛孔一致性丘疹による鳥肌様皮膚
●血清IgE値の上昇




臨床型(幼少児期以降)

●四肢屈側型
●四肢信側型
●小児乾燥型
●頭・くび・上胸・背型
●痒疹型
●全身性
●これから混雑する症例も多い




重要な合併症

●眼症状
 (白内障、網膜剥離など):特に顔面の重傷例
●カポジー水痘様発疹症
 (単純ヘルペスの感染により、
  うみを持った水疱ができる重症の病気)
●伝染性軟属腫
 (水いぼ)
●伝染性膿痂疹
 (とびひ)



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