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日本選手の大活躍で沸いたアテネ・オリンピックには、世界の202の国と地域から16,000人が参加、開会式では南北朝鮮の合同行進が実現するなど、戦争や紛争の悲惨なニュースに明け暮れる私たちの社会に平和の尊さを改めて思い起こさせた。
だが、このスポーツと平和の祭典にも国際社会の厳しい現実が映し出された。内柴選手が金メダルと獲得した男子柔道66キロ級で、世界選手権を2連覇してkものオリンピックでも優勝候補筆頭といわれていたイランの選手が、一回戦でイスラエルの選手との対戦を拒否して、自ら棄権する挙に出た。
イスラム教国家イランは、半世紀前にユダヤ教国家イスラエルが同じイスラム教徒のパレスチナ・アラブ人の犠牲のもとに誕生したとして同国の存在を認めず、エルサレムなどアラブ被占領地から撤退するまでは「交渉しない、妥協しない、紛争を終わらせない」という対イスラエル排斥政策を堅持、このイランの選手も「同じイスラム教徒としてパレスチナへの連帯を示した」といい、本国政府から日本の国民栄誉賞のような報償金を贈られて英雄となった。
この出来事は、平和の象徴の舞台であるオリンピックに政治的対立を持ち込んだ国際社会のルール違反であり、特定の民族・宗教に対する排外思想を助長しかねない。
だが、世界の5分の1を占めるイスラム教徒12億人が暮らす中東・アラブ・アジア世界にとっては、歴史的な不正義を訴える格好の舞台なのかもしれない。
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