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| 米国の「自由の拡大」は何が問題か |
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| 静岡産業大学・経営学部教授 森戸幸次 |
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米ブッシュ政権は「自由の拡大」をキーワードに、中東を肇世界全体を民主化するという高邁な理想の追求に動き出した。政治的自由を無視する独裁国家や、人権を踏みにじる非民主国家の元で圧政と弾圧に苦しんでいる地域に希望と機会、自由をもたらす、と高らかに宣言した。
「自由」を49回も用いたこの2期目の就任演説を聞き、さすが「自由と平等の国」の大統領だと思った人も多いだろう。だが、このブッシュ構想が現実に扶植されていくと、本当に私たちの世界に平和と安定は訪れるのだろうか。
この答えは既に1期目のブッシュ政策の中に存在する。「9・11同時テロ」を契機に対テロ世界戦争を宣言、大量破壊兵器の入手を企てるテロリストを支援する「悪の枢軸」としてイラク、イラン、北朝鮮を認定し、イラク戦争であっという間にフセイン独裁体制を葬った。米国の<外科的療法>によりイラク国民に長い間閉ざされていた政治参加の道が回復された。
だが、この戦争の結果、民族・宗教バランスが失われ、イラク国民を再び束ねる戦後イラクの<処方箋>をブッシュ政権は全く用意していなかったことが判明、戦後のイラク政策は破綻に追い込まれた。
ブッシュ政権が再び現実への処方箋を誤ると、「手術(自由の回復)は成功した。でも患者(イラク再生)は死んだ」という不幸な結末を招きかねないだろう。ブッシュ政権にとって最大の問題は、パレスチナ同様に、外国による占領・支配からの開放こそが本当の「自由の拡大」につながるという認識の欠如だ。 |
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