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急性腹症 米山文彦 医師

磐田市立総合病院 外科(第2医療部長) 米山文彦

2004/11/15 No.1260  磐田市ホームページPDFファイル


 「急性腹症」とは、急に発症して激しい腹痛を伴う数多くの疾患の総称で、その原因は消化器疾患に限らず、泌尿器科、婦人科領域を含めさまざまです。
 急性腹症は、一般にその症状が重い場合が多いことから、速やかな診断と、緊急開腹手術を要するかどうかの治療方針の決定が必要となります。
 緊急手術が必要となる代表的疾患は、胃、十二指腸や大腸などの消化器官に穴が開いて起こる穿孔性腹膜炎、腸がねじれて閉塞した絞扼性イレウス、ヘルニアが元に戻らなくなったヘルニア嵌頓、大動脈瘤の破裂、急性虫垂炎(軽症例を除く)などです。
 これらは救急疾患ですので、他の慢性疾患のように時間をかけて、手順どおりに検査を行ってから治療方針を決定し、はじめて治療を開始するというわけにはいきません。
 腹痛に血圧低下や冷や汗、意識低下などのショック状態を伴うときは、重症の腹膜炎や絞扼性イレウスなどが多く、ショックの治療をしながら、画像診断、血液検査等を行って治療を決定することとなります。その際、患者さんからの問診の情報が非常に重要となり、典型的な症例では、問診と身体所見のみでも診断が出来ることが少なくありません。
 具体的には腹痛の部位、発症時期(食後、空腹時、排便時など)、腹痛の強さ(激痛か鈍痛か)、腹痛の性状(持続的か間欠的か)、随伴症状(発熱、悪心、嘔吐、便通異常、吐下血)などです。
 また、過去の手術歴や再発生に起こる疾患(慢性膵炎、胆石、尿路結石、胃・十二指腸潰瘍など)や心疾患の既往歴、内服中の薬剤等の情報も診断上重要です。



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